ご旅行向けのお靴のご注文も増えてきました。
旅行の計画は本当にワクワクしますね。
しかし、せっかくの楽しい旅も、足元にトラブルがあると台無しになってしまいます。
靴の専門家として、旅行を心から楽しむために、出発前に必ず確認しておきたい「靴のチェックリスト」をまとめました。ぜひ、この時期にご確認ください。
旅行前の「足元」チェックリスト
快適で思い出深い旅は、実は「履き慣れた、万全な状態の靴」から始まります。
1. 靴の状態と履き慣らしのチェック
① 新品の靴は避ける
旅行用に新しく靴を購入される方がいらっしゃいますが、これは最も避けていただきたいことです。どんなに高性能な靴でも、足に馴染むまでには時間がかかります。
- 対策: 旅行までに最低でも1〜2週間は、近所への散歩などで試し履きをし、靴擦れや圧迫感がないかを確認してください。少しでも違和感があれば、インソールや紐の調整が必要です。
② ソール(靴底)の摩耗とメンテナンス
長距離を歩く予定なのに、靴底がすり減っていては滑りやすくなりますし、衝撃吸収性が落ちて足への負担が増大します。
- 対策: ソールが極端にすり減っていないか確認し、必要であれば修理店で交換・補強を依頼しましょう。革靴であれば、乾燥を防ぐためのクリームでの油分補給も忘れずに行ってください。
③ 防水・撥水加工の再施工
旅行先で突然雨に降られることはよくあります。靴が濡れると足が冷えるだけでなく、カビや臭いの原因にもなります。
- 対策: 布・革に関わらず、出発前に必要な場合は防水スプレーをかけておきましょう。撥水効果は時間とともに薄れるため、再施工が重要です。
2. 旅行の目的に合わせた靴の選定
④ 2足以上の靴を持っていく
予備の靴は、荷物にはなりますが、それ以上に重要な役割を果たします。
- 重要性:
- 万が一濡れた時: 濡れた靴は乾ききるまで履かないのが鉄則です。
- 足の疲労分散: 毎日同じ靴を履き続けると、同じ部分に負担がかかります。異なる種類の靴(例:スニーカーとローファー)を交互に履くことで、疲労を分散できます。
⑤ 場面ごとの明確な使い分け
旅行先での行動を想定し、目的別に靴を選びましょう。
- 昼(観光・長距離歩行): 安定したかかとと、十分なクッション性があるウォーキングシューズやスニーカー。
- 夜(ディナー・ホテル内): 軽くて脱ぎ履きしやすいサンダルやきれいめのシューズ。足を開放する時間も大切です。
3. 足元のインナー(インソールと靴下)
⑥ インソールのチェック
もしオーダーメイドのインソールや市販の機能性インソールを使っている場合は、そのインソールがへたっていないか、足のアーチを適切に支えているかを確認してください。
- 対策: 既存のインソールが古ければ、新品に交換するか、専門家による調整を受けましょう。
⑦ 機能性の高い靴下の準備
靴と同じくらい、靴下は重要です。綿素材の靴下は汗を吸って乾きにくく、冷えや臭いの原因になります。
- 対策: 吸湿速乾性の高い化繊(ポリエステルなど)やウール素材の靴下、またはクッション性の高いスポーツソックスを多めに用意してください。靴下を変えるだけで、足の疲労感が大きく軽減されます。
快適で安全な旅は、足元から始まります。ぜひ、上記のポイントをご確認いただき、最高の旅の思い出を作ってくださいね。